囲碁トリビア NO.10


【呼吸する石】

【石】 岩より小さく、砂より大きい鉱物質のかたまり。 (広辞苑)

誰がなんと言おうと、石は無生物。その石が呼吸するなんて、何やらオカルトチックな・・・。
いえいえ、世の中にただひとつ、石が呼吸できる場所があるのです。
それは、碁盤の上。

そう、石といっても「碁石」の話。
いじめる、しめつける、取り上げる・・・など、囲碁に豊富な見立て表現のひとつです。
チェスや将棋、オセロと違って囲碁では線がぶつかりあった場所に石を置きますが、その石の上下左右4つの交点を特別に“呼吸点”というのです。(図1)


ちょっとイメージしてみましょう。
ここにいるのは、けなげな碁石君。ふだんは4つの呼吸点から酸素を取り込んでいる。そこをふさがれると、当然息苦しくなる。で、全部ふさがれてしまうと・・・窒息。死んだ石となって、対戦相手にゲットされてしまいます。
ピンチの碁石君は、仲間が救助。
呼吸点が少なくなったら、仲間の碁石をつなげて打ってやる。これで呼吸点はグンと増大(図2)、ひと息つけるようになるのです。(ダイビングのレスキューで、エアを分け合うような感じ?)


息絶え絶えの石や、息の根を止められる石、息を吹き返す石・・・。
一見フラットな盤上が、なんだかむせかえるような生命感に満ちてくる気がしますよね。囲碁の先人たちは、かなり豊かな想像力の持ち主だったようです。

ふさいで、攻める。ふやして、守る。それが碁石の呼吸点。そしてこの行為こそ囲碁というゲームの基本中の基本なのです。


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